経営において、すぐに成果が出るとは限らない取り組みは多くあります。
たとえば、私がこうして書いているコラムもそのひとつです。
誰が読んでくれているのかもわからない。反応がある日もあれば、ない日もある。
それでも、書き続けます。なぜか。
それは、「信じるに足る経験」を、過去に何度もしてきたからです。
ふと、ある経営者の方から「あのコラム、刺さりました」と言われることがあります。一見、何の反応もなかったように思えた記事が、誰かの心に静かに届いていたことを知る瞬間です。そしてその一言が、新たなご縁に次の相談につながっていく。これは、一度でも経験すると忘れられません。
とはいえ、ただ「信じていればいい」というだけでは、経営は進みません。
目標がある以上、現実とのギャップを正しく把握し、軌道修正していく力も必要です。
事業には、旗を振って先頭を切って進む人がいて、その成果を分析し、後方から支える人がいて、何より、役割を越えて一緒に悩み、考え、前を向こうとするチームが必要です。
私たちビジネスストーリーも、その一員として、クライアント企業の皆さまと共に、もがきながらチャレンジを続けています。ワークショップで強みやビジョン、方針を一緒に言語化し、時には現場のOJTにも立ち会い、リアルな課題と向き合う。
「何が原因か?」「どうすれば改善できるか?」それを徹底的に考え、施策に落とし込み、売上につなげていく。正直、いつも答えが出るわけではありません。
でも、クライアントの社長さんたちとは、真剣に、そして楽しくもがいています。
先日、高知へ出張に行ってきました。
顧問先様と、高知の企業様との合同出資による新会社・新規事業の立ち上げミーティングに立ち会わせていただきました。そこには、ただのアイデアではなく、夢を描きながら、着実に実行へと進めていくためのアクションプランがありました。誰かの想いがかたちになっていく過程、そこにはやはり、「信じる力」と「現実に向き合う力」の両方が不可欠であることを、改めて感じさせられました。
理想を語るだけでなく、現実を乗り越える覚悟を持つ。
その両方を併せ持ったチームこそが、未来を切り拓いていくのだと思います。
経営とは、すぐに結果が出ないものを信じて続けることの連続です。
同時に、現実を直視し、軌道を修正する力も求められる。その両方を持って、歩みを止めずに進んでいく。それが、信頼される経営者、そして支援者のあり方だと私は信じています。